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2014年8月23日土曜日

HTLV-Ⅰ検査-3.セロディア HTLV-Ⅰ-

【セロディア HTLV-Ⅰとは】

ゼラチン粒子凝集反応検査で血清又は血漿中の抗HTLV-Ⅰ抗体を検出する試薬で、ウイルス(HTLV-Ⅰ)そのものを検出する試薬ではありません。

【測定原理】

ゼラチンを粒型化した人工担体に不活化処理したヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-Ⅰ)抗原を吸着させたもので、この感作粒子が血清又は血漿中の抗HTLV-Ⅰ抗体と反応し、凝集することを応用した粒子凝集反応(Particle Agglutination Test:PA法)です。

【検査時間】

反応時間が短く、2時間後に判定可能です。

【特徴】

PA法は抗HTLV-Ⅰ抗体のIgMとIgG型の抗体を測定することが出来検出感度は極めて高く、偽陽性率は0.05~0.59%と極めて低いのでですが、妊婦では高率に偽陽性反応が出現する欠点があります。

【判定】

以下に凝集パターンと判定を示します。






【判定の解釈】

陽性となった場合、後日採血をし直してPA法で再検査を行うか、ウエスタンブロット法での確認検査をします。

ウエスタンブロット法で判定保留となった場合は、ウエスタンブロット法で再検査します。

更に精度の高いPCR法があり、HTLV-Ⅰ感染が疑われるときや特に他の方法で判定が困難なときに実施する事があります。

HTLV-Ⅰ感染初期では、抗体が産生されなかったり、産生されていても抗体の量が少ない場合があり偽陰性反応を起こすことがあります。

感染が疑われる場合には判定結果が陰性であっても、経時的に検査し、また他の検査(抗原検査、血液形態学的検査)結果、臨床症状を加味して総合的に判断する必要があります。