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2013年7月8日月曜日

抗トリコスポロン・アサヒ抗体検査

抗トリコスポロン・アサヒ抗体検査は、夏型過敏性肺炎の代表的起因菌である "トリコスポロン・クタネウム"に特異的な抗体価測定により他疾患との鑑別に用いられます。

感度・特異度も高く、夏型過敏性肺炎の鑑別有用な検査です。

それでは、夏型過敏性肺炎とは、どのような疾患なのでしょうか?

夏型過敏性肺炎は日本で発見された過敏性肺炎で、西日本を中心に、夏季、湿った家屋内に繁殖した真菌属の胞子を反復吸入することによって起こります。

夏型過敏性肺炎は、過敏性肺炎の70%以上を占める代表的疾患で、III、IV型アレルギー肺疾患です。

原因となる真菌を吸入してから数時間後に咳や痰、悪寒、頭痛、発熱、呼吸困難などの症状が現れます。

夏型過敏性肺炎は、月をピークに6~10月にかけて発症することが多く、長引く夏風邪、繰り返す風邪と放置され、症状が重篤化してから受診する場合が多いです。

夏型過敏性肺炎は、家屋が原因となることが多いことから、家族発症がみられ、専業主婦に多いことも明らかになっています。

【夏型過敏性肺炎の特徴】

・夏の間だけ咳が出て、夏風邪と診断れたことがある。

・夏風邪の症状が頑固でなかなかすっきりしない。

・旅行などで自宅を離れると体調がよくなる。

・何年にもわたって、夏場になると同じ症状を繰り返す。

・家に長く居ると咳がひどくなる。

【抗トリコスポロン・アサヒ抗体検査の判定基準】



★CAI (Corrected Absorbance Index) 補正吸光度

【治療法】

自宅から離れ、原因となっている"トリコスポロン・クタネウム"を吸入する環境から隔離することが必要となります。

それだけでかなり改善しますが、症状が重い場合はステロイド薬を服用する必要があります。

【予防法】

住宅内の "トリコスポロン・クタネウム"の発生を抑えることにつきます。

カビは室温20度、湿度60%以上で発生しやすくなり、80%以上で爆発的に増殖することから、室内の換気を頻回に行いカビの繁殖しやすい条件を作らないようにすることです。

特に、エアコンはカビの発生の主たる原因となりやすいので気をつける必要があります。
エアコンを冷房状態から急に切ると中に水滴が溜まりやすく、その水滴のかでカビが繁殖しますから、カビの繁殖を防ぐためにはエアコンを切る1時間前に送風状態にすると水滴がなくなり、カビの繁殖をおさることが可能です。

さらに、加湿器や空気清浄機、全自動洗濯機などもカビの温床になることがあるのので注意が必要です。