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2012年9月30日日曜日

性交行為感染症検査-15.ヒトパピローマウイルスタイピング(HPVタイピング)-その2.検出可能なタイプとは-


HPV検査は、14種のHPVハイリスク型の中の一種でも感染が見られれば「陽性」となり、その後細胞診で定期的な追跡検査が行われます。

しかし、この検査では感染しているHPVの型別の判定や、尖圭コンジローマを起こす6型・11型の診断はできません。

感染しているHPVの型を調べるのがHPVタイピング検査です。

HPVタイピング検査は、子宮頸癌と関係が深いハイリスク型の中で、特に日本人と関係が深い14種類(16,18,31,33,35,39,45,51,52,53,56,58,59,68型)と、子宮頸癌とは直接関係はありませんが性行為感染症のひとつの尖圭コンジローマを引き起こす6,11型の感染の有無も調べることが可能です。

HPVは、およそ80%の人が一度は感染しますが、多くは自然に体内から消えていきます。

がんになるのは、体内から消えることなく持続的に感染が続いたごく一部の場合です。

男性が問題になるのは6型、11型の感染によるイボの発症ですが、尖圭コンジローマは感染してから、3週間~8ケ月(平均で3ケ月)しないと、イボが発現して来ません。

そのイボは、男性では亀頭周辺だけでなく陰裏、肛門周辺や外尿道口など、女性では外陰部、膣、子宮頚部、肛門周辺や外尿道口などに出来ます。

当然この検査は、女性だけでなく男性も受けることが可能です。

2012年9月23日日曜日

性交行為感染症検査-15.ヒトパピローマウイルスタイピング(HPVタイピング)-その1.検査の意義


HPVはヒトの皮膚、膣、口腔などに感染してイボをつくるウイルスです。

このウイルスの中には子宮頸がんを引き起こす型があり、それらを「ハイリスク型」呼び、14種類が知られています。

また、「ローリスク型」と呼ばれる6型、11型は尖圭コンジローマを引き起こしますが、これらは子宮頸がんとは関係ありません。


HPVは、現在100種類以上の遺伝子型が同定されています。

例えば、子宮頸癌からは16, 18, 31, 33, 35, 39,45, 51, 52, 56, 58, 59, 68, 82, 26,53,66の各型が証明されています。

HPVの6型、11型は尖圭コンジローマの原因です。これらは子宮頸がんとは関係ありません。

子宮頸がんを引き起こすHPVは、16型、18型がその代表で、16型が全体の過半数、HPV18型が約10%を占めています。

この「ハイリスク型」のHPVの感染があるかどうかを調べる検査をHPV検査と言いますが、このHPV検査では、「ハイリスク型」のどの型に感染しているのかは判断できません。

その為に、高度な技術を用いてHPVの遺伝子(DNA)の型を解析し、HPVの遺伝子型を調べる検査が「HPVタイピング検査」です。